はじめての体外受精ガイド
採卵の前に、
知っておきたいこと。
注射のこと。
痛みのこと。
お金のこと。
ひとつずつ整理して、次の診察へ。

「自己注射はできるかな」「採卵はどれくらい痛い?」「費用はいくら準備すればいい?」。
体外受精を考え始めると、治療そのものだけでなく、生活への影響も気になります。
この記事では、採卵の準備から受精方法、費用の確認までを整理します。
最初に押さえたい、3つのポイント
01
採卵は、治療の途中のステップ。
その後に受精・培養・移植・妊娠判定があります。
02
痛みへの対応と費用は、事前に確認。
自分の治療計画に沿って、準備することを聞きましょう。
03
顕微授精が、全員に最適とは限りません。
精子の状態や過去の受精結果などから検討します。
01
治療の全体像
採卵から妊娠判定まで、5つの段階
体外受精は、卵子を体の外に取り出して受精を試み、育った胚を子宮に戻す治療です。
採卵の日と、移植の日は別の段階として考えましょう。
体外受精の基本的な流れ
1
準備・診察
治療方針を決め、卵胞の発育を確認
2
採卵
卵巣から卵子を取り出す
3
受精・培養
受精を試み、胚の発育を確認
4
胚移植
その周期、または凍結後の別の周期に
5
妊娠判定
医療機関が指定した日に確認
一般的な流れを簡略化しています。
治療内容・日程は一人ひとり異なり、途中で方針が変わる場合もあります。
「採れた数」と「移植できる数」は違います。
すべての卵子が受精し、すべての胚が移植に使える段階まで育つわけではありません。
採卵数・受精した数・移植や凍結に使える胚の数を、分けて確認しましょう。
02
日程と採卵当日
採卵の予定と、当日の過ごし方
治療方法と、通院の見通しを相談
初診では、検査結果や治療歴、月経の様子、持病、使用中の薬を共有します。
転院の場合は、紹介状や過去の採卵・受精・移植の記録も確認しておきましょう。
卵巣刺激には、内服薬や注射を使う方法、自然な周期を利用する方法などがあります。
年齢、卵巣の反応、過去の結果、合併症のリスクを踏まえて選び、薬が多いほど適しているとは限りません。
検査で経過を見ながら日程を調整するため、開始時に採卵日が確定しないこともあります。
「採卵の候補期間」と「日程が決まる見込みの診察日」を分けて聞きましょう。
採卵前の薬は、日時まで確認
採卵前には、卵子の最終的な成熟を促す薬を使うことがあり、これを「トリガー」と呼びます。
採卵との時間関係が重要なので、毎日の注射と同じつもりで時刻を変えないでください。
薬の名称、実施日、時刻を紙や診療アプリの指示で確認し、不明な点は実施前に医療機関へ問い合わせましょう。
来院前に、持ち物と精子の準備を確認

受診案内で受付時刻、持ち物、同意書を確認します。
飲食・服薬、付き添いの指示で不明な点は、来院前に問い合わせてください。
精子は当日に採取するか、凍結したものを使うかを事前に相談します。
採取場所、提出方法、必要書類に加え、第三者からの提供精子を使う場合は受診先の受け入れ可否を治療開始前に確認しましょう。
当日は、採卵後の休息まで見込む

採卵は、超音波で位置を確認しながら腟から針を進め、卵胞内の液を吸引して卵子を探す処置です。
処置後は体調や出血、麻酔からの回復を確認し、医療機関の判断で帰宅します。
受付から帰宅までの滞在時間には幅があるため、直後に外せない予定を入れる前に見込みを聞いてください。
結果の連絡は、いつ・どう聞く?
採卵当日に分かる数と、その後の受精・発育の結果は別です。
「どの結果を、いつ、どの方法で聞くか」を確認しておくと、待つ間の見通しが立ちます。
03
培養・凍結・移植
胚が育ってから、移植に進むまで
胚の名前と、培養の目標を知る

「初期胚」「胚盤胞」は発育の段階を、「凍結胚」は保存している状態を表します。
初期の分割段階で移植する方法と、胚盤胞まで培養して移植する方法があります。
胚盤胞まで培養すると選ぶ判断材料が増える一方、発育が止まり、移植できる胚が残らない場合もあります。
胚の数や治療経過を踏まえ、今回の目標と、その段階まで育たなかった場合の対応を聞きましょう。
胚の評価と、移植する周期を相談

胚の評価は発育段階と合わせて説明を受け、記号だけで結果を決めつけないことが大切です。
胚や体の状態に応じて、新鮮胚移植か、凍結後の別の周期に移植するかを相談します。
使用できる凍結胚があれば、必ず採卵からやり直すわけではありません。
ただし、凍結・融解後に移植できない場合もあります。
移植する周期には子宮内膜や排卵の状態を確認し、必要に応じて薬を使うため、次の受診時期も確認してください。
凍結保管は、更新手続きまで確認
保管期限、更新手続きと費用、連絡先が変わった際の届け出を確認しましょう。
治療を休む場合や転院する場合も、保管中の胚の手続きは別に必要になることがあります。
契約や同意書を保管し、今すぐ移植しない場合も更新時期を確かめてください。
04
自己注射の準備
自己注射の不安を、手順ごとに整理
採卵の前
自己注射は何のため?
卵胞の発育などを助ける薬を、自宅などで投与する方法の一つです。
薬の種類・量・期間は治療計画で異なり、検査で経過を確認しながら進めます。
注射が苦手なことも、早めに伝えて構いません。
使う薬と器具で、手順を教わる

薬や器具によって、量の設定、注射する部位、保管条件、使用後の扱いが異なります。
別の製品の動画をそのまま当てはめず、自分に渡された器具で練習できるか相談しましょう。
受診先の説明書や動画は、後から見返せる場所にまとめておくと役立ちます。
針を見ると気分が悪くなる、手元が見えにくい、仕事中に指定時刻を迎えるなど、難しい点は具体的に伝えて構いません。
実施場所や通院での対応を相談できるか、開始前に聞いてください。
始める前に、4つを確認

- 旅行や出張がある場合は、持ち運びと保管方法を相談
- 注射できたか分からないときや、薬液・器具に問題があったときの連絡先を確認
- 使用済みの針を入れる容器と、回収・処分の方法を確認
打ち忘れは、追加せず連絡
打ち忘れや量の間違いに気づいても、自己判断で追加したり、次回を倍量にしたりしないでください。
薬の名前、指示された量と時刻、実際に行った内容を確認し、治療先に連絡します。
夜間や休日に使う薬については、その時間帯の連絡方法も先に確かめておきましょう。
05
痛みと採卵後の生活
痛みへの備えと、帰宅後の体調管理
採卵の当日
採卵は痛い?
採卵では、腟から針を進めて卵子を取り出します。
鎮静や麻酔を使うことがありますが、方法や痛みの感じ方は一律ではありません。
「痛いですか」に加えて、使う麻酔・処置中の伝え方・帰宅後の対応を聞くと、準備を具体化できます。
麻酔と、不安への対応を聞く
「麻酔あり」だけでなく、意識がある予定か、どう痛みを和らげるか、途中でつらいときの伝え方を確認しましょう。
体験談では自分の痛みを予測できないため、内診や注射でつらかった経験、失神した経験などを共有してください。
持病・薬と、当日の指示を確認
過去の麻酔での不調、薬や食べ物のアレルギー、持病、使用中の薬・サプリメントは事前に伝えてください。
飲食を控える時間や当日の服薬は、麻酔と体の状態で変わるため、受診先の指示に従います。
帰宅後の鎮痛薬は、使ってよい薬と使用方法を確認します。
市販薬を使う前にも、処方薬との組み合わせを含めて相談してください。
痛みが和らいでも、出血や息苦しさなど別の症状があれば伝える必要があります。
帰宅方法と、付き添いを確認

帰宅後は、受診先の指示に沿って休める予定を確保します。
鎮静・麻酔を受けた場合、本人が普段どおりに感じても、運転や重要な判断を控える指示が出ることがあります。
自分で運転して帰る計画にせず、付き添いの要否や、ひとりで過ごしてよいかを確認しましょう。
仕事・運動の再開は、個別に相談
入浴、性交、運動、重い物を持つ作業の再開は、一律に「翌日から大丈夫」とは言えません。
通勤で歩く距離、子どもの抱き上げ、立ち仕事など、予定する行動を伝えて相談しましょう。
職場復帰と、負担のかかる作業の再開は分けて確認します。
体調が変わったら、連絡を優先
帰宅後の体調変化は、我慢せず連絡を
卵巣刺激に伴う合併症に、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。
ただし、採卵後の不調をすべてOHSSと決めつけることはできず、出血や感染など別の原因の確認が必要な場合もあります。
治療先へ速やかに連絡する症状
- 腹部の張り・痛みが強くなる
- 吐いて水分が取れない、尿が減る
- 発熱や多い出血がある
救急受診を優先する症状
強い息苦しさ、胸の痛み、意識が遠のくような状態など、緊急の症状があれば救急受診を優先してください。
採卵日、使った薬、症状が始まった時刻が分かると説明に役立ちますが、記録を整えるために連絡・受診を遅らせる必要はありません。
06
受精方法の選び方
体外受精と顕微授精、何が違う?
顕微授精(ICSI)は、体外受精で使われる受精方法の一つです。
どちらも採卵した卵子を使いますが、精子と卵子を出会わせる方法が異なります。
通常の体外受精
ふりかけ法

卵子と精子を
一緒に培養する
精子の状態や過去の治療経過などを踏まえ、適した方法を検討します。
顕微授精
ICSI

卵子の中に
精子1個を注入する
精子の数・動きの問題や、過去の受精障害などがある場合に検討します。
仕組みを簡略化した模式図です。
大きさや処置の細部は実際と異なります。
「顕微授精なら、妊娠しやすい」とは一律にいえません。
ASRMの2026年の見解では、男性因子や過去の受精障害がない場合、すべての卵子に一律に顕微授精を行っても、生児獲得率の改善は示されていません。
操作による卵子の損傷の可能性や追加費用も含め、「自分には、何を改善するために必要か」を確認しましょう。
自分に勧める理由と、限界を確認
受精方法は、精子の数・動きや採取方法、過去の受精結果などをもとに検討します。
顕微授精が補助するのは精子を卵子へ入れる過程で、その後の正常な受精、胚の発育、着床、出産を保証するものではありません。
- 以前のどの結果を、判断の根拠にしているか
- 通常の体外受精も選べるか
- 顕微授精で、どの段階の改善を期待するか
方法を組み合わせる場合も、目的を聞く
一部の卵子に通常の体外受精、別の卵子に顕微授精を行う場合もあります。
実施できるかや分け方は卵子の数と治療方針によって異なり、両方なら失敗を避けられるとは限りません。
当日に変更する可能性も含め、目的・費用・説明と同意の流れを確認しましょう。
出典:HFEA「顕微授精」[2]/ASRM「顕微授精の適応(2026年)」[3]/HFEA「治療成績の集計」[11]
07
結果と数字の読み方
治療の数字を、次の相談につなげる
「成功率」は、何の割合?
受精率受精した段階
妊娠率妊娠が確認された段階
生児獲得率生きた赤ちゃんの出産に至った段階
違う段階の数字を、そのまま比較できません。
何を分母にした割合か、対象年齢・治療条件・集計期間も確認しましょう。
割合は、分母と対象条件をそろえる
「妊娠率」も、採卵を始めた人全体か、移植まで進んだ人かで意味が変わります。
移植あたりの成績には、移植へ進めなかった周期が含まれないことがあります。
年齢層、自己の卵子か提供卵子か、新鮮胚か凍結胚か、集計年・人数も確認しましょう。
別の施設の数字を、そのまま自分の予測値に置き換えることはできません。
結果の数は、段階ごとに記録

結果は、医療機関から説明された範囲で残しておきましょう。
途中で数が減ったという事実だけでは、原因や次の治療方針までは判断できません。
1回の移植と、累積の成績は別
1回の移植の成績と、1回の採卵で得た複数の胚を使った累積の成績は、別の指標です。
凍結胚が残った場合の進め方も含めて説明を受け、数字を結果の約束ではなく、選択肢を相談する材料として捉えましょう。
次の治療は、見通しと負担を相談
期待と違う結果でも、その場で次の方法を決めきる必要はありません。
原因を一つに絞れない場合もあるため、今回分かったことと、まだ分からないことを分けて聞きましょう。
- どの段階を振り返り、同じ方法を続ける・変える理由は何か
- 再開時期、追加検査、費用はどう変わるか
- 休む場合、凍結胚や薬について必要な手続きはあるか
体調、費用、通院、気持ちの負担も相談の材料です。
つらいときは、受診先の相談員や不妊治療の相談窓口を紹介してもらって構いません。
08
費用の見通し
見積もりは、採卵の先まで確認
費用は治療内容や保険の扱いによって異なります。
「採卵の料金」だけで判断せず、移植・妊娠判定までに何が含まれるかを確認しましょう。

見積書で、項目ごとに質問する
| 費用 | 受診先への質問 |
|---|---|
| 診察 検査 薬 | 通院や薬が増えた場合の追加額は? |
| 採卵 麻酔 | 麻酔の料金は、採卵費用に含まれる? |
| 受精 培養 | 受精方法や培養の方針でどう変わる? |
| 凍結 保管 融解 | 凍結時・更新時・使用時、それぞれの費用は? |
| 移植 妊娠判定 | 移植前の薬や、その後の診察は含まれる? |
| 予定変更 中止 | 治療が進まなかった場合、どこまで支払う? |
予定変更を含め、同じ条件で比較
見積もりは、次の3つのケースで聞いてみましょう。
- 採卵から移植まで、予定どおりに進む場合
- 胚を凍結して、別の周期に移植する場合
- 採卵・培養の結果により、移植へ進めない場合
金額が未確定でも、固定の項目と、結果によって変わる項目を分けて確認できます。
施設を比べる場合も、薬・麻酔・保管更新など、含まれる内容をそろえましょう。
追加の検査・治療は、目的から確認
追加する目的、効果の根拠、自分に当てはまる理由、費用を確認します。
検査なら、結果によって治療方針がどう変わるかも質問できます。
追加しない場合の選択肢と見積もりも聞き、不明な点は契約・同意の前に説明を求めてください。
交通費や休業による収入への影響も別にメモし、家計から準備する額を考えましょう。
09
保険と支援制度
保険の条件と、家計の支援を確認
保険
適用
保険の範囲を、自分の計画で確認
日本では、体外受精・顕微授精などの基本的な不妊治療が保険の対象となり、保険診療の自己負担は基本的に3割です。
年齢・回数などの条件があり、追加項目の扱いも異なります。
第三者からの精子提供を伴う場合を含め、この一般説明だけで自分の治療に適用されるとは判断できません。
受診先に対象範囲と自己負担額を確認してください。
年齢と回数は、胚移植の計画で確認
体外受精・顕微授精の保険適用には、治療開始時の女性の年齢が43歳未満であることなどの条件があります。
胚移植の回数上限は、初めての胚移植のための治療計画を作成した日の年齢で変わります。
| 治療計画作成時の年齢 | 胚移植の上限 |
|---|---|
| 40歳未満 | 1子ごとに6回まで |
| 40歳以上43歳未満 | 1子ごとに3回まで |
過去の保険診療と胚移植歴が分かる資料を用意し、今回の適用範囲と残り回数を確認しましょう。
出産後の再開、転院、年齢の区切りに近い場合も、現在の治療計画との照合が必要です。
追加する項目は、保険と併用できる?
先進医療として併用が認められる場合、技術料は全額自己負担で、通常の診療と共通する部分には保険が適用されます。
自費のオプションがすべて先進医療になるわけではなく、対象技術、実施施設、条件の確認が必要です。
提案された名称を控え、この施設で併用できるか、追加で基本治療の請求も変わるかを尋ねてください。
「先進医療」という名称だけで自分に効果があるとは判断できないため、目的・根拠・追加しない選択肢も確認しましょう。
高額療養費は、対象と上限を確認
保険診療の自己負担が高額になると、高額療養費制度の対象になることがあります。
限度額は所得や年齢などで異なり、先進医療の技術料、交通費、休業による収入減は同じ上限の対象にはなりません。
2026年8月からは、月額上限の見直しと年間上限の導入が行われています。
受診する時期の制度、自分の所得区分、窓口負担を抑える手続きや申請方法を、加入先の健康保険に確認してください。
合計額と、支払う月を確認
採卵、培養、凍結、移植では支払い時期が分かれることがあります。
月をまたぐと制度上の計算が変わる場合があるため、総額だけでなく請求時期も確認しましょう。
制度に合わせて、薬や処置の日程を自己判断で動かすことはできません。
自治体の助成は、書類を早めに確認
独自の助成については、住んでいる自治体の案内を確認します。
対象の治療、申請期限、必要書類は制度ごとに異なるため、治療前に確認し、領収書と診療明細書を保管してください。
出典:[18]
10
仕事と身近な人との調整
通院・仕事・家事を整える

職場には、見込みと必要な調整を伝える
日程が未確定なら、「この週に急な受診の可能性がある」「次の診察で決まる」と分かる範囲を共有できます。
連絡する相手と期限を決め、休暇、時差出勤、在宅勤務などの制度を確認しましょう。
必要なら不妊治療連絡カードも使えます。
治療の詳細をどこまで伝えるかは、支援に必要な情報を整理しながら考えて構いません。
身近な人には、頼みたい行動を伝える
送迎、帰宅後の食事、家事、子どもの世話など、頼みたいことを具体的に伝えましょう。
採卵日が変わった場合の代わりの方法も考えておくと、直前に抱え込む負担を減らせます。
結果を伝える時期は、自分で決めてよい
「結果が分かったら自分から連絡する」「今は細かい経過を聞かないでほしい」と伝えても構いません。
支えてくれる人と、自分が落ち着ける距離感を相談してみましょう。
出典:[8]
11
よくある疑問
気になるところを、もうひとつ。
人工授精と体外受精は、どう違いますか?
人工授精(IUI)は、調整した精子を子宮内へ注入し、体内での受精を目指します。
体外受精は採卵を行い、体外で受精を試みる治療です。
単に「弱い治療・強い治療」という違いではありません。
採れた卵子が少なければ、顕微授精がよいですか?
卵子の数だけでは決められません。
男性因子がない場合、採卵数が少ないことを理由とした顕微授精で、生児獲得の改善は示されていません。
精子の状態や過去の受精結果も含め、選ぶ理由を確認しましょう。
出典:ASRM[3]
胚を凍結すると、治療が失敗したことになりますか?
採卵の日は、仕事を休んだほうがよいですか?
処置・麻酔の予定と、仕事内容を伝えて受診先へ確認してください。
移動や運転、長時間の立ち仕事など、実際に予定している行動を挙げて相談すると具体的です。
結果を待つ間は、どう過ごせばいいですか?
妊娠判定は指定された日に受け、早い時期の自己検査だけで結果を判断しないようにしましょう。
薬の継続・中止も受診先の指示で確認してください。
気持ちがつらいときは、相談先を尋ねたり、情報を見る時間を区切ったりして構いません。
出典:NHS[5]
説明を受けたあと、もう一度質問してもいいですか?
分からない点は、確認する機会を求めて構いません。
「なぜ自分に必要か」「別の選択肢はあるか」「いつまでに決める必要があるか」を短く書き出すと、次の相談につなげやすくなります。
QAMHが低いと、妊娠できないのでしょうか?
AMHは、卵巣予備能や、卵巣刺激にどのくらい反応しそうかを考えるための指標の一つです。
卵子の質や、妊娠できるかどうかを単独で判定する検査ではありません。
低い値だけで可能性がないと決めず、年齢、超音波検査、これまでの治療への反応も合わせて説明を受けましょう。
「今回の薬や採卵計画に、この数値がどう影響するか」と聞くと具体的になります。
出典:[24]
Q胚移植の後は、ずっと寝ていたほうがいいですか?
妊娠率を上げる目的で、胚移植後にベッドで安静を続けることは推奨されていません。
「動いてしまったから結果が悪くなる」と思い込む必要はありません。
ただし、採卵後の卵巣の腫れや痛みなどで、個別の生活上の注意が必要な場合はあります。
無理に運動を増やすこともせず、仕事、運動、入浴などについて通院先の指示を確認し、体調に合わせて過ごしましょう。
出典:[25]
12
次の診察に持っていく
まずは、この3つを聞いてみよう。
保存して使える、相談メモ
1
なぜ、自分にこの方法を勧めるの?
判断に使った検査結果、期待する効果、ほかの選択肢。
2
生活では、何を準備すればいい?
注射、通院、仕事、送迎、帰宅後の連絡先。
3
費用と、次に判断する時期は?
見積もりの範囲、結果を聞く日、予定が変わった場合の対応。
すべてを一度に聞かなくても大丈夫。
いちばん気になる項目から、次の相談につなげてください。
説明は、3つに分けて持ち帰る

説明を覚えきれなければ、資料や要点をもらえるか相談しましょう。
聞いたことと、次に確認したいことを分けて残し、決める期限がある場合は一緒に確認してください。
採卵前に、ここを確認
- 薬の名前・量・日時を確認する資料と、注射の練習方法
- 薬の保管、針の処分、打ち忘れたときの連絡先
- 当日の飲食・服薬、付き添い、運転についての指示
- 帰宅後の活動・仕事再開の目安と、診療時間外の連絡先
薬の量や使用時刻は、受診先の指示で確認してください。
提供精子を検討している方へ
希望する治療と使用予定の精子について、受診予定の医療機関へ最初に相談しましょう。
- 自分の状況で相談・治療を受けられるか
- 予定している提供元の精子を使用できるか
- 必要な検査・書類・同意手続きは何か
- 精子の準備・搬送・保管の手配と費用はどうなるか
受け入れを保証する条件表ではなく、問い合わせのための項目です。
提供者側の説明と、医療機関が確認した内容を分けて残してください。
この記事について
情報確認日:2026年10月2日。
一般的な情報提供を目的とし、公的機関・専門学会等の資料をもとに構成しています。
個別の治療方針は、診察・検査結果を踏まえて担当医と相談してください。
海外資料は治療の仕組みや根拠の補足として参照しています。
日本の保険や受診条件は、国内の制度と受診先で確認してください。
出典・参考資料
- HFEA:In vitro fertilisation(IVF)
- HFEA:Intracytoplasmic sperm injection(ICSI)
- ASRM:Intracytoplasmic sperm injection for nonmale factor indications(2026)
- HFEA:Embryo freezing
- NHS:IVF
- HFEA:Risks of fertility treatment
- こども家庭庁:保険適用について
- 厚生労働省:不妊治療と仕事との両立について
- HFEA:Decisions to make about your embryos
- HFEA:IVF options
- HFEA:治療成績の集計
- HFEA:Treatment add-ons
- こども家庭庁:検査・治療について
- HFEA:Preparing for your clinic appointment
- 日本産婦人科医会:生殖補助医療
- こども家庭庁:不妊治療に関する取組
- 厚生労働省:先進医療の概要
- 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ
- PMDA:ゴナールエフ 患者向医薬品ガイド(製品ごとの説明の一例)
- Guy’s and St Thomas’ NHS:採卵の流れ
- Guy’s and St Thomas’ NHS:受精・培養
- HFEA:クリニックの選び方・治療成績の見方
- HFEA:治療中の心理的サポート
- ASRM:卵巣予備能検査の解釈(2020年)
- ASRM:胚移植ガイドライン(2017年)
- Guy’s and St Thomas’ NHS:体外受精のリスク